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ペットショップでの日常を中心に、お役に立てる情報も発信していけたらと思っています。
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犬のコレステロール値について
2012年06月07日 (木) | 編集 |

だいぶ前になってしまうのですが、お客様のワンコの総コレステロール値が高い、という話が出ました。

人の場合の総コレステロール(T-Cho、TC)の基準値は、150~220mg/dlですが、私が調べた限りでは、犬の総コレステロールの基準値はマチマチでした。

「171~287」「100~265」「81~157」「140~252」「135~270」「70~303」「111~312」 ・・・ 左記7種類の基準値が出てきました。 コレステロールの単位については「mg/dl(=mg/100ml)」で統一されていますので、数字の違いだけ見ていただければ大丈夫です。

検査する機械によって基準値の設定が、だいぶ違うのかもしれません。 また犬種によって基準値が違うかどうか、という点についても、わかりませんでした。


一般的に、コレステロール値が高いと動脈硬化のリスクが高まる、と言われています。

肝臓から体の各細胞にコレステロールを運ぶLDL(低比重リポたんぱく)と、全身の各細胞から古くなったり余ったりしたコレステロールを回収し、肝臓に戻すHDL(高比重リポたんぱく)が検査値として重視され、LDLコレステロールを悪玉コレステロール/HDLコレステロールを善玉コレステロール、という言い方をすることも多いと思います。

通常は、総コレステロール値が高い、とりわけLDLコレステロールが高いと動脈硬化に繋がる、と言われることが多いと思います。

同時に現在では、LDLコレステロールの値が高いこと=動脈硬化に繋がる、ではなく「変性した」LDLコレステロールが動脈硬化の原因になるのではないか、という説も有力視されています。

コレステロールが悪いのではなく、コレステロールを包んで運搬する船の役割を果たしている「リポたんぱく」が障害を受けること(=変性LDLになる)で、血管の平滑筋細胞やマクロファージが変性LDLを大量に取り込んで「泡沫細胞」になり、泡沫細胞が動脈の壁に付着していくことで動脈硬化が進行していく、という考え方です。

そのため、LDL(低比重リポたんぱく)が変性する原因になる ①活性酸素対策として・・・ビタミンEやカロチンの摂取 ②血中ホモシステイン値の増加を防ぐ・・・ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取 といった栄養素の摂取が重要ではないか、とも言われています。

コレステロールは「細胞膜の材料になる・性ホルモンや抗ストレスホルモンの材料になる・胆汁酸の材料になる」といったことで、生体にとって大変重要なものです。

通常、体にとって悪いものの検査値は、低ければ低いほど良いとしたものですが、コレステロールは生体にとって大変重要なものですので「高すぎてもダメ・低すぎてもダメ」という微妙な部分があります。

そのため(遺伝性素因が大きい、家族性高コレステロール血症のようなケースは別として)基本的には、ワンコの状態を見て/獣医さんの指示を仰いでいただき、もし総コレステロール値が高くても様子を見る、という状況の場合には、ビタミンEやカロチン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を摂取しておく、というのも予防的措置としては、考えられるのではないかと思います。




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